ナザレ
 受胎告知教会の聖地
 ナザレは聖母マリアが大天使ガブリエルから受胎を告知された 場所として巡礼者の絶えない町だ。私たちが実際に行ってみるとそこは 車がいきかいクラクションがあちこちに鳴り響く喧騒の町だった。 バスはやっと、広いスペースを確保して私たちを降ろすことができた。 それまでは、車線がどこなのかもわからないほど車が列をなし、両側には 駐車している車がならび、その間を人が通りぬけているようなところを ゆっくりと進むだけだった。ナザレはイスラエルでも違法駐車の多い町とし て有名なところだそうだ。
 大通りから受胎告知教会のある坂道を徒歩で進む。途中、たくさんの巡礼者と 観光客に会い、その人たち目当てのおみやげ屋、ワンダラー絵はがきを売る人 (ワンダラー $1 と言いながら5枚つづりの絵はがきを売る人。ベツレヘムなどにもたくさんいる。子供からお年寄りまで様々)お菓子や水を売る人 でごったがえしている。  ここに来て、ミネラルウオーターが$1であった。テルアビブやエルサレムで は$2以上する。ガリラヤ湖近郊でも$1で売られているが、その他の地域で はこの値段では買えない。イスラエルの水はガリラヤ湖に依存しており、大変 貴重なものなのだ。 ユダヤ系の人から買う水と、アラブ系の人から買う水でラベルが違うのも おもしろい。味はもちろん変わらなかった(と、思う)
 話がそれたが、門をくぐると受胎告知教会があった。1969年に完成した比較的 新しいこの教会の正面にみえるのはイエスの弟子達だ。また、入口の付近には 左側に旧約聖書に登場する人、右側に新約聖書に登場する人がそれぞれ 描かれている。中に入って天井を見ると高い三角形の屋根に吸い込まれそう だ。たくさんの礼拝をする人が祭壇の前でひざまずいて祈りをささげている。 中央にある祭壇は岩がむきだしになっており、そこで告知をうけたといわれ ているそうだ。美しいステンドグラスと高い三角形の屋根が幻想的な雰囲気を 醸しだしていた。熱心に祈るたくさんの人をみて、聖書すらちゃんと読んだ ことのない私たちは申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。
 
 

そして、また来た道を帰るときはもう日が落ちていてうす暗くなっていた。 さっきよりも人が増えたようで一層、にぎやかになっている。 2000年を迎えるときはそれこそすごい数の巡礼者が集まることが予想されて いるそうだ。 今、ナザレでは受胎告知教会のとなりにイスラム教のモスクを建設する計画が あるそうだ。しかし、政府やクリスチャンがこれに猛反対し,話しは平行線の ままだそうで結論がでていない。 2つの宗教にとって、ナザレは大切な場所なのだ。

そんな聖地ナザレの私たちの印象は、ワンダラー絵はがきを売る人の”ワンダ ラー!”の声、車のクラクションの音、舞い上がるほこり、、、、 ”喧騒の町ナザレ”となってしまうのである。

 

カナの婚礼教会

 ナザレからバスで30分ほどいく。途中、ガイドさんからおもしろい話を聞い た。”アラブ人式 家の建て方”というのがあるそうだ。それは、建築方法ではな く、お金が貯まった段階で新築工事をスタートし、また再度お金が貯まった ら、増築していくというものだ。確かにバスの窓からみると、一階の屋根には 鉄筋がむき出しになっている。これは、将来、二階建てにするために鉄筋を そのままにしてあるそうだ。建物の形にはなっているが、窓のないものや外壁 がそのままになっているものもある。これも、またお金が貯まった段階で工事 をスタートするのだ。何とも興味深い話でバスの窓からの風景に釘付けになっ てしまった。

 カナの婚礼教会は見落としてしまいそうな小さな教会だった。 婚礼に呼ばれたイエスが水をワインに変えるという奇跡をおこした場所だ。 婚礼にワインは欠かせないものだったそうで、宴会の途中にワインがなくなっ てしまい、困っていた人々の前で水がめの水をワインに変えた。これはイエス が起こした数々の奇跡の中で、一番最初に行った奇跡だそうだ。 現在の教会は、ギリシャ正教の豪華な装飾がほどこしてあり、ナコン(絵画) にはイエスの姿が描かれている。外はすっかり暗くなっていて、ろうそくの 火がナコンを照らしていた。小さな教会には、やはり訪れる人が後を絶たない ようで人が教会にはいる度に、風にふかれえゆれるろうそくの火がとても神秘的 だった。 教会をでると”カナの婚礼ワイン”が売っている。味は、かなり甘めであまり おいしくなかったが、1$で売られていたワインを記念に買った。